お小遣いで始めるブログ運用

公認会計士 土肥卓哉

例年より肌寒い気がする、2022年秋。何だか、あっという間に年末を迎えそうな気もしますね。そろそろ年末年始恒例の、郵便局のアルバイト募集も手元に届く頃でしょうか。

年末年始のホリデーシーズン、高校生ぐらいならバイトをしてみたくなるタイミング?
身体を使って稼ぐバイトもいいですが、手元にパソコンがあるのならインターネットビジネス、ブログ運用なんかもどうでしょう。

高校生がお小遣いで始めるインターネットビジネス、ブログ運用について、我が家のルール、実体験等も踏まえてご紹介します。

校則と社会保険をチェック

まずは、通っている学校の校則を確かめましょう。「アルバイト禁止」の項目があるなら、具体的に何がアウトでセーフなのか、しっかり確認してください。

また、保護者が加入している社会保険の扶養条件も、しっかりチェックしてください。配偶者と同様に、被扶養者の控除ルールは、加入している社会保険によって異なります。

所得税の壁、国民年金の壁、社会保険の壁がそれぞれ立ち塞がるので、「勤労学生控除があるから」と保護者の許可を得て開業届を提出、「青色申告の特別控除の合わせ技で枠の拡大」みたいなことをやってしまうと、どこかで引っかかってしまうかも。

高校生が片手間にインターネットビジネス、ブログ運用をやって、いきなりそんなに稼げるとは思えませんが、被扶養者、パートの主婦等と同様に「稼ぎ過ぎ」には気をつけましょう。目安は月5万円を超えない程度ですが、自分達の場合は具体的にいくらかなのか、別途算出しておくこと。

「主たる家計者」の収支に組み入れるなど、バイト禁止の回避も含め、上手に工夫したいですね。

真剣にやるなら、本人のお小遣いで投資がオススメ

インターネットビジネス、特にブログ運用の利点として、「無料で始められる」があると思いますし、アメーバブログやnoteなど、無料でささっと始められる魅力的なサービスがあるのも事実なんですが、無料でお手軽ゆえに、本気でやらないというか、長く続けられないという側面もあるかと思います。

ブログを始めるために必要な初期投資なんて、パソコンやスマートフォンをのぞけば高校生のお小遣いでも何とかなるレベルなので、数百円前後であれば、身銭を切って真剣に取り組んだ方が身になるものも大きいでしょう。

「いつの間にか辞めていた」を避けるためにも、サーバやドメイン代ぐらいは投資しましょう。

ドメインも高くて年額4,000円代ぐらい、サーバも「さくらインターネット」や「Xserver」などでよければ、月額換算で500円とか1,000円ぐらいで借りられます。年額で大体1万円〜1.5万円もあればお釣りが来るレベルなので、お小遣いとしては決して安くない金額ですが、取り戻したいと思うにはちょうどいい額の投資ではないでしょうか……。

サーバを取得するタイミングで、付帯サービスでドメインが取れる場合もあるので、上手にご活用ください。バラバラでもいいのであれば、JPドメインなら「JPDirect」、それ以外はGandiがオススメでしょうか。
サーバは、さくらインターネットか、Xserver辺りが比較的オススメです。ご自身で調べていただくのが一番ですが、GMO系列は避けた方が無難な印象です。

文章、情報発信が起点に

さまざまなインターネットビジネスがある世の中ですが、専門知識や初期投資を抑えめで始めるなら、まずはブログ運用がオススメです。SNSの運用やYoutubeの活用でインフルエンサーを目指す手もありますが、起点となるのは文章力や、情報発信のテクニック、ノウハウ。

自分が発信したいことを的確にまとめる、言語化する能力、それを受け取ってもらうために発信を工夫する経験は、将来、どんな仕事を選んでも活きますし、別のインターネットビジネスを始めるにしても、土台になります。

また、純粋にタイピングスキルの向上、フリック入力、音声入力の訓練にも繋がります。
発信したいことがあるから、そのためのスキルを習得、習熟させていく。

学校で学んだことを反芻する、予習復習のためのアウトプットとしても活用できます。より良い文章を書く、少しでもいい情報発信、目の前にいない人とコミュニケーションを取るためにどうすればいいか。学生の間に、アウトプットを意識して本を読む理由、コミュニケーションに気を配る理由にもなるでしょう。

実際に収益に結びつかなくても、ブログを書く、情報発信の基地を持つだけでもメリットは、沢山あります。

どんな収益化があるかも、自分で調べながら試行錯誤してみてはいかがでしょう?
費用対効果の考え方や、PDCAサイクルの回し方を、同時に学ぶのもいいかも知れませんね。

学生の間は、ルールの設定と遵守を

例えば、

  • 実名を出さない
  • 万が一、ややこしいことが起こったら「絶対に怒らないから」すぐに報告すること
  • 保護者が確認できるよう、URLを教える

上記のように、各家庭でルールを決めて、設定したルールは守るように徹底しましょう。

もし、名前が必要なら、先々まで使えそうな屋号やハンドルネームを想定して、ドメインが取得できるか、検索でヒットしないかなども調べながら、決めることをおススメします。ブログやハンドルネームが成長すればするほど、先々のビジネス等も展開しやすくなります。

クリエティブに興味があるなら、とことんイジれ

もし、本人にプログラミングやデザインにも興味があるのなら、ブログ自体をWordPressのようなCMSや、昨今流行りのJamstackで構成して、カスタマイズしまくる、イジり倒してみるのもいいでしょう。

サーバ運用やメール運用を実際にやりながら、どんなリスクやセキュリティ対策があるか、どんなトラブルがあるかも身をもって学ぶこともできます。HTMLやCSS、その他の技術やテクニック、デザイン関連も学びたいならどんどん学んで、手に職のきっかけのブログ運用というのも一つの方法です。

ライティングスキルがあれば、Webライターとしての仕事もできますし、Webサイト制作、デザイナーとしてクライアントワークに従事する道も開けるでしょう。

WebマーケティングやSNS運用、広告運用といった路線も含め、興味を伸ばす余地は無限にあるので、ブログ運用をきっかけに、ただ書くだけ、ただ発信するだけじゃない使い方も検討してみてください。

数千円の投資で、初めてみません?

子どものお小遣いでも始められるインターネットビジネス、ブログ運用。しっかり稼ぐ、十分な収益を出すには運や根気も要しますが、元手が少なく、いつでもどこでも始められるのは大きなメリットです。

アクセスを稼いで広告収入を得るだけでなく、アフィリエイトなり、有料記事の配信なり、マネタイズはさまざまなので、これを機に少しアンテナを貼ってみませんか?

オススメ記事

小学生のお子様向けに7月特別講座を実施します。商売のしくみと上手なお金の使い方を学んでみませんか?

7月出張講座:駄菓子屋で学ぶ 小さなお店のひらき方NEW SCHOOL FOR NEW LEADERS
公認会計士 土肥卓哉
1974年生まれ、大阪府出身。
神戸大学卒業後、大原簿記専門学校を経て、2000年にデロイトトーマツグループに入社。延べ100社以上の上場企業、非上場企業、学校法人、倒産企業などの監査、経営コンサルティング、再生・M&Aに関与。
個人事業主、契約社員を経て、2018年にアンドシング株式会社を設立し、代表取締役に就任。文の里商店街にあるgallery &sing、てらこやアンドシングの店主。
著書に『ジブンノシゴトのつくり方』(ギャラクシーブックス)。
プライベートでは、高校生2人の父親。趣味は、歌づくりとキャンプ。特技は片耳動かし。

その他の記事