先日、「副業300万円問題」が注目を集めていましたが、そこのアナタも、そろそろ副業や複業を始めたくなりました?
腕に覚えのある方は、パートタイマーじゃなくて、フリーランスという選択肢もいいですね。
リモートワークも普及した今、パソコンやスマホ一つで仕事というのも不可能ではありません。
ただ、本当に副業しよう、フリーランスとして働こうと思った方、動き出すまでにお金や時間に猶予があるなら、もう少しだけ準備しませんか? 折角のやる気を無駄にしない方法を、ご紹介します。
開業届を出そう
開業届を出さなくても、副業やフリーランスとして活動することはできますが、青色申告や、屋号が付いた事業用の銀行口座を開設するなら、開業届を出した方がいいでしょう。
最近は税務署へ出向かなくても、e-Taxでオンライン提出したり、郵送で届け出ることも可能ですが、いざという時、自分はどの税務署へ出向けばいいのか、場所や経路を把握しておいた方がいいと思うのと、開業届の控えにハンコをもらう喜びも体験できるので、時間があるなら直接出向いて提出するのもオススメです。
この時、「青色申告承認申請書」の提出もお忘れなく。
開業届の控えが用意できたら、屋号付きの銀行口座、事業専用の口座を開設するようにしましょう。
すでに本人名義の口座を開設している銀行だと、事業用口座の開設も比較的スムーズです。
e-Taxの環境を整えよう
青色申告の特別控除を最大限に活用するために、e-Taxによる申告、または電子帳簿保存ができる環境を整えましょう。特に、e-Taxによる申告ができるようになれば、添付書類の整理や貼付、混雑しまくりの税務署で列に並ぶ必要もありません。今から始めるのであれば、e-Taxをやるつもりで環境を整えた方がいいでしょう。
確定申告用のソフトも、e-Taxがスムーズにできるものを選んでください。
使われている端末やOS、銀行口座との相性にもよりますが、ネットバンキングの記録を直結して利用できるものもあるので、少しでも楽にできるものを選びましょう。強いこだわりがないのなら、freeeとかでも大丈夫です。
e-Taxの環境を整えるついでに、まだ取得していないのならマイナンバーカードと、マイナポイントの申請もしてしまいましょう。マイナンバーカードは、電子証明書が付くものにしてください。
e-Taxに備えて、カードリーダーも購入しましょう。OSに合わせてちゃんと動くものを購入すること。領収書もきちんと受け取っておきましょう。
可能なら、簿記三級も勉強しよう
今時の会計ソフト、確定申告用のソフトなら、詳しいことが分からなくてもさほど問題なく使えるかと思いますが、もし、もう少し時間が取れるようなら、簿記三級の教科書や問題集をサッと勉強しておくと、意外と役に立ちます。
わざわざ資格取得までする必要はないですし、三級で全部分かるようなものでもないですが、「複式簿記」や会計をザッと掴むには、一番手っ取り早い方法じゃないでしょうか。
どんな項目があるか、事前にチェック
開業届を出して、e-Taxの環境を整えて、簿記もなんとなく分かったら、確定申告本番の時期を迎える前に、他にどんな項目があるのか、しっかり見ておきましょう。
医療費の記入欄があったり、生命保険や地震保険の欄、ふるさと納税等の寄付の項目があったり、「収入」から差し引ける項目、自分に見合ったポイントがないか、今からでも使える項目、打てる手立てはないか、しっかりチェック。
自宅で仕事をするのなら、「家事按分」として地代家賃や光熱費等を一定の割合で経費にできますが、コレもやりすぎは良くないので、程々で活用できないか、事前に考えておくことをお勧めします。
被扶養者は、扶養から外れないかも要チェック
いわゆる”〇万円の壁”、特に103万円、130万円、150万円といった壁を聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、被扶養者の方は、収入が大きければ、扶養者の扶養から外れる可能性があります。
扶養には、所得税の扶養と社会保険の扶養の2種類があります。
所得税の扶養から外れた場合、「扶養者」は配偶者控除または配偶者特別控除を受けられなくなるため、「扶養者」の所得税額が増える可能性があります。
社会保険の扶養から外れた場合、被扶養者の方は第3号被保険者としての資格を喪失するため、ご自身で社会保険料を負担する必要があります。
所得税の扶養から外れるかどうかは、収入ではなく、所得金額で判定されます。また、社会保険の扶養から外れるかどうかは、所得税の扶養とは若干異なる基準で判定されますし、扶養者が加入している社会保険によっても基準が異なります。
いずれにせよ、給与ではなく、事業で収入を得る場合、扶養から外れるかどうかを判定する上では「所得金額(事業収入から必要経費を差し引いた金額)」が重要になります。
被扶養者の方は、まず「扶養者」の現状や加入している社会保険を把握し、ご自身が扶養から外れるかどうかの判定基準をチェックしましょう。その上で、もし扶養から外れないようにするのであれば、所得金額を抑えるために、必要経費はいくらか、いくらまでなら収入を上げていいのかをしっかり把握するようにしましょう。
青色申告で、会計に慣れよう
無申告は絶対ダメですが、青色申告より簡単な白色申告を選ぶメリットも、ソフトが充実している今はあまりないでしょう。どんな控除があるか、会計や仕訳がどうなっているのか、より具体的に学ぶには、自分自身で確定申告、特に青色申告をするのが一番です。
会計に触れる、学ぶ意味でも、本気で副業、フリーランスとして仕事をしようと思うなら、是非とも青色申告を。上手に制度を活用して、手元に残るお金を増やしましょう。